高血圧の症状は?
症状はほとんどない、サイレントキラー

高血圧は、初期には自覚症状がほとんどありません。
しかし、高血圧が続くと動脈硬化が進行し、脳卒中や心筋梗塞、心不全、腎障害などの深刻な病気を引き起こすリスクが高まります。
そのため「サイレントキラー」とも呼ばれる、注意すべき疾患なのです。
ほんとうに症状はないのか?
まれに頭痛、めまい、鼻血などの症状が現れることがあります。
ただし、これらの症状は他の病気でも起こりうるため、必ずしも高血圧が原因とは限りません。
高血圧とは?
心臓から送り出された血液が動脈の内壁を押す力(血圧)が強すぎる状態を指します。
血圧は心臓の収縮と拡張によって変動し、心臓が収縮した際の最高血圧を収縮期血圧(最大血圧)、拡張した際の最低血圧を拡張期血圧(最小血圧)と呼びます。
高血圧の診断基準は?
医療機関の診察室での測定で収縮期血圧が140mmHg以上、または拡張期血圧が90mmHg以上の状態が続く場合とされています。
家庭で血圧を測る場合は、診察室よりも低い基準値(収縮期血圧135mmHg以上、または拡張期血圧85mmHg以上)が用いられます。
繰り返し測定したのちに、これらの基準に当てはまる場合、高血圧症と診断されます。
動脈硬化とは?

高血圧が続くと、血管に常に強い圧力がかかり続けるため、血管の壁が厚く硬くなって弾力性を失います。これが動脈硬化です。
動脈硬化は、脳、心臓、腎臓、眼などの様々な臓器に影響を及ぼし、深刻な病気を引き起こす原因となります。
高血圧の原因は?
高血圧の原因は2つ、二次性高血圧症にも注意
高血圧の原因は大きく分けて、「本態性高血圧症」と「二次性高血圧症」の2つがあります。
本態性高血圧症
高血圧全体の約90%を占め、原因が特定できないものを指します。
遺伝的要因や生活習慣の積み重ねが原因と考えられており、生活習慣病のひとつに数えられています。
リスク要因としてあげられる生活習慣には、食塩の過剰摂取、肥満、飲酒、運動不足、ストレスなどがあります。
とくに日本人にとっては、食事における食塩の過剰摂取が大きな問題となっています。
二次性高血圧症
特定の病気が原因で起こる高血圧です。
その原因となる病気には、腎臓の病気、ホルモン異常、睡眠時無呼吸症候群などがあります。とくに内分泌疾患と高血圧の関係は深く、内分泌疾患によるホルモン異常は、二次性高血圧症の原因の一つとなっています。
具体的には、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫、クッシング症候群、甲状腺機能亢進症などの内分泌疾患によるホルモンバランスの崩れが、高血圧を引き起こす場合があります。当院では二次性高血圧に関する検査も可能です。
高血圧の予防と治療は?
生活習慣(食事と運動)
高血圧の治療は、生活習慣の改善と薬物療法が中心となります。
生活習慣の改善としては、減塩(一日の食塩の摂取量6g以下が推奨されています)、禁煙、適度な運動、肥満の解消、アルコールの摂取制限などが重要です。とくに減塩は高血圧症の予防と治療に非常に重要です。
また、定期的に血圧を測定し、自分自身の血圧の状態をチェックすることも心がけましょう。
薬物療法
薬物療法は、生活習慣の改善だけでは血圧が十分に下がらない場合に行われます。
降圧剤には、ARB、ACE阻害薬、カルシウム拮抗薬、利尿薬など、さまざまな種類があります。
当院では、それぞれの患者さんの状態に合わせて適切な薬を選び、処方していきます。
また二次性高血圧の場合は、原因となる疾患の治療を行う必要があります。
まとめ
当院では専門医の知見でオーダーメイドな検査と治療を行います。
高血圧は、放置すると命に関わるような病気を引き起こす可能性があります。
しかし、早期発見・早期治療によって、合併症を予防し、健康的な生活を送ることができます。
当院では、生活習慣の改善、薬物治療に関し、ひとりひとりの患者さまに寄り添って、それぞれにあった治療方針を立て、実施していきます。
お役立ちサイトや参考文献のご紹介
より詳しく高血圧について学習されたい方は、以下の日本心臓財団のページがお勧めです。
また、英語にはなりますが、以下のアメリカ心臓病学会のサイトではあなたの血管リスクを知ることもできます。